ドーン・オブ・ザ・デッド

さて、最近身辺が慌しく、毎日がどんでん返しに次ぐどんでん返し、急転直下のスリリングなスピード・オブ・ライフをサバイブするオレだが、それでも朝からゾンビ映画観に行っちゃうんである。朝からゾンビ。略して“朝ゾン”。略しただけでなんだか爽やかな雰囲気になってしまうから不思議だ。若者たちが早朝グラウンドで集まって青春の汗を流しながらゾンビの特訓。「そこもっと血糊多めに!」「はらわたの出しかたが足りん!」「もっと声出せ!「あ゛〜〜〜〜」だろ「あ゛〜〜〜〜」!」…などとコーチや先輩たちの厳しい声が飛び交うんだろうなあ…。と思うとうっとりする。オレも一度はやってみたい、“朝ゾン”。(やらないって)
この映画の原典『ゾンビ』は言うまでもなくホラー映画の金字塔ですが、と同時に黙示録の映画であり終末論の映画でもありましたな。またアクション、サスペンス映画としても非常に優れたシナリオで、文明批評まで盛り込んであり、単に『ホラー映画』の枠内だけで語られるには実に勿体無い映画じゃないかと思います。
さて『ドーン・オブ・ザ・デッド』。これが。なんと。面白い!!何しろゾンビが走る!暴れる!やはり21世紀型はこのスピードがスタンダードでしょう。ストーリー展開も速く、原典での主要舞台だったショッピング・モールも、この映画では脱出の為の中継地点ぐらいの扱いになっている。登場人物も多く、その分各々の死に様のバリエーションが楽しめます。原典と違ってて面白かった部分は、モールの隣に同じくゾンビに囲まれて孤立している銃砲店があるんですが、ここのただ一人の生き残りと屋上で双眼鏡とホワイトボードで連絡取り合うエピソードですね。ストーリーにも重要な係わり方をします。
ホラー映画、ゾンビ映画は怖い、気持ち悪いなんていわれるけど、オレは世界で今現実に起きてることのほうが何倍もグロテスクだしホラーだと思うけどな。そもそも映画なんて所詮作り物、嘘っ子。でもだから楽しめる。オレ、ホラー映画のドキドキ感と、子供の頃やった鬼ごっこなんかのドキドキ感って、実は根っこが同じだと思ってるんですよ。情報量と質が違うだけの話で。ホラー映画の面白さはそんなところだと思うんだけどな。
あと、主役のサラ・ポーリーがオレ好みでちょっと可愛かった。なんか庶民派ユマ・サーマンというか。どうもオレこの手のタイプの金髪に弱いらしい。あとジョディー・フォスターとかさあ…。