美しい人生 / 清水 おさむ(著) 青林工芸舎  ISBN:4883791483

煽情する描線。マニエリズムとグロテスク。初期の「昭和へび女」「美しい人生」は、あえて野暮ったい描線を使って面白さを狙ってるのかと思ったが、なんだかそれだけではない「凄み」みたいなものを感じる。物語がどんどん破綻していくんだけど、これも狙ってるのか天性のものなのか判断できなくて、読んでいるこっちまで心理的に怪しくなる。最新作「最後の首斬り浅右衛門」はレディスコミックかと思わせるような細く修飾的な描線に変わり、ますますマニエリスティックでグロテスクな世界が展開される。
そしてなにより巻末の根本敬の解説が熱い。熱すぎる。ここのHPに全文掲載されているのでぜひ読んでほしい。
http://www011.upp.so-net.ne.jp/TOKUSYUMANGA/text/genre114.htm