ローワン・アトキンソンが再びしょーもないスパイ役で珍活躍!?〜映画『ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬』

■ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬 (監督:オリヴァー・パーカー 2011年イギリス映画)

  • 『Mr.ビーン』のローワン・アトキンソン主演によるアホアホ・スパイ映画第2弾です。実は一応前作は観ている筈なんですが、全然印象に残っていないんです。だからそんなに期待して観に行ったわけではなく、ちょっと軽めのコメディが観たいな、という気分で映画館に行ってみました。
  • 最初に書くと、大爆笑の連続、といったコメディではなく、どちらかというとローワン・アトキンソンのとぼけた怪演をじわじわと楽しむ、そういった映画でしたね。
  • お話は、以前任務で手痛い大失敗を犯してしまい、チベットで隠遁しつつ拳法の修行をしていた主人公ジョニー・イングリッシュ(ローワン・アトキンソン)が、何の間違いか再び重要任務に大抜擢、しかしやっぱり頓珍漢なことをやらかして周囲をパニックのズンドコに落としてしまう、というものなんですね。
  • イギリス・スパイが主人公、ということから007パロディがそこここで展開しますが、そもそも007パロディっていうのはあちこちでやりつくされているので、そういった部分に新味があるわけではありません。でもね、おバカなスパイ小道具とか秘密兵器とか、やっぱり見ているとにんまりしちゃいますね。
  • そして007パロディではありますがボンド・ガールみたいのが出てこないのがこの作品らしいといえばらしいです。ローワン・アトキンソン映画を観に行く人にセクシーシーン期待する人はあんまりいないと思うしね。
  • そのかわり、『X-FILE』のスカリー役だったジリアン・アンダーソンがジョニーの上司役として出演、『X-FILE』の大ファンだった自分としては久しぶりにジリアンさんのお姿を眺められて嬉しかったですね。それと、ジョニーと恋仲になる心理学者ケイト役のロザムンド・パイクが、派手さはない女優さんながらちょっぴりキュートでしたね。調べてみたらこのロザムンド・パイクさん、『007/ダイ・アナザー・デイ』にも出演していたらしく、ちょっとしたスパイ映画繋がりだったんですね。
  • 映画冒頭はジョニーのチベットにおけるしょーもない修行の様子を描き、緩めに笑わせてくれます。ひたすらチンコ鍛えたりとかね!しかしこのチンコ強化特訓が実は後半の強力な伏線だったなんて誰が思うでしょうか!?
  • その後香港に飛んだジョニーさんが重要アイテム奪還シーンで見せるとぼけた追跡シーンは、アクション映画にありがちな追跡シーンを上手に皮肉った出来で、ここはなかなか好きでした。
  • この香港シーンに登場する東洋人老婆の殺し屋があとあとまでジョニーさんを付けまわし、ジョニーさんの命を狙います!スパイ映画といえば東洋人のわけの分からない殺し屋が定番ですからね!そしてジョニーさんもこれと対決しようとしますが、いつも全然関係ない老婆を捕まえてはボコ殴りにしてしまい、エライことになってしまいます!お年寄りを全く労わらない酷い映画ですね!
  • さらにジョニーさんには以前モザンビークで任務に失敗した深いトラウマがあり、モザンビークの話を持ち出されるたびに顔が怪しくヒクヒク…。こういった顔芸がやっぱりローワン・アトキンソンさんの楽しさですね。しかもその任務の失敗した理由がまたしょーもないほど哀れ…。
  • そして今回の任務も失敗続きのジョニーさん、遂に悪の手先という濡れ衣まで着せられてしまいますが、その汚名を雪ぐべく大活躍するクライマックスのスイス・シーンはクライマックスだけあって結構笑わせてくれました。ローワン・アトキンソンさんの怪しい動きもここでは存分に楽しめますよ!しかし殺しの為のあのアイテムが…ああ…。
  • エンド・クレジットではスパイ役から離れてローワン・アトキンソンさんの「おっ」と思わせる1シーンも見られますので決して席を立ってはいけません!
  • 大傑作!というものではありませんが、そこそこに楽しめるコメディ映画に仕上がっていましたよ。