クリスティーナ・リッチ、リーアム・ニーソン主演のサスペンス・ホラー『アフターライフ』

■アフターライフ (監督:アニエシュカ・ヴォイトヴィッチ=ヴォスルー 2009年アメリカ映画)


クリスティーナ・リッチリーアム・ニーソンという出演陣が主役をつとめるサスペンス・ホラーなんですが、日本では見事なDVDスルー作品で、「こりゃどんなもんかな」と思ってみてみたら、DVDスルーもやむ無しといった内容の地味ーな作品でありました。
お話はというとクリスティーナ・リッチ演じる学校教師が交通事故を起こし、目覚めると葬儀屋のベッドにいたんですね。その彼女を見下ろすのが葬儀屋のおっさんリーアム・ニーソン。で、あたふたしているクリスティーナ・リッチリーアム・ニーソンが「はい、あんたは死んじゃってるんですよ。自分では死んでないと思ってるかもしれないけど、やっぱり死んじゃってるんです。はいこれ死亡証明書。葬儀まで大人しくしててね」とか言ってるんです。びっくりしたのはクリスティーナ・リッチ、「いやいや死んでないし!生きてるし!…ってか、やっぱり死んじゃってるの?」などと訳が分からなくなってしまうんです。これに『スペル』『26世紀青年』のジャスティン・ロング演じるアホ顔の恋人が絡み、クリスティーナ・リッチはホントに死んでるのか?実はリーアム・ニーソンはイカレたおっさんで、クリスティーナ・リッチに嘘ぶっこいて生きたまま埋葬しようとしているのか?というサスペンスを盛り上げようとしていたみたいです。まー結局あんまり盛り上がりませんでしたが。
映画の中で示される"死んでいるとされる証拠"は葬儀屋リーアム・ニーソンが持っているものだけで、このおっさんを疑おうと思えば幾らでも疑うことが出来るんですが、クリスティーナ・リッチは幽閉されているんでそれを確かめようがないんですね。でもさあ、自分が生きているっていうことは別に証拠なんか無くたって、息してて体温あって寒いとか暑いとか感じてついでに腹減っただのトイレに行きたいだの思えたら普通それで十分じゃないですか。ただ死んだとされるクリスティーナ・リッチがそういうことを感じているのかどうかは描かれないし、観ているほうは説明不足に欲求不満になりながら監督の「謎だよね?これ、謎だよね?」というストーリーテリングに付き合わされなきゃいけなくなってしまうんですね。
なんといいますか、題材自体が単純すぎるんですよねえ。「生きているのか死んでいるのか?」のサスペンスだけで104分持たせるのはちょっとキツ過ぎたんではないかと。逆にこの題材なら、昔あったTVホラーサスペンス番組「世にも不思議なアメージング・ストーリー」や「クリープ・ショー」あたりの45分程度の長さの一篇だったらまあまあ観られた内容になっていたかもしれません。だから「生きているのか死んでいるのか?」のサスペンスは途中までにネタバラシして、中盤から逃走なり死後の世界描くなりリーアム・ニーソンが発狂ブッこいてチェーンソー抱えて追いかけまわすなりの新展開を入れるべきだったのではないかと。
ただですねえ、主演のクリスティーナ・リッチが、まあとりあえず死体ってことになってますから、映画では殆どヌード姿なんですよ。このへんクリスティーナ・リッチ・ファンには別の意味で見所満載ということも出来ますよね。しかしなんでこんな映画にクリスティーナ・リッチリーアム・ニーソンなのか、よく出演したなあ、という気はしましたね。


アフターライフ [DVD]

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