最近読んだコミック / 山上たつひことか諸星大二郎とか西原理恵子とか

■快僧のざらし(上)(下) / 山上たつひこ

快僧のざらし 上

快僧のざらし 上

快僧のざらし 下

快僧のざらし 下

山上たつひこの『快僧のざらし』、存在は知っていたけれども今まで読んだことがなかったので買ってみた。するとこれが『がきデカ』テイスト満載のお下劣ナンセンス・ギャグ漫画で、ガキの頃『がきデカ』をバイブルとしその後すっかりお下劣人間として育ってしまったオレにとって無類の面白さであった。しかしいったいいつ描かれたものなんだ?と思って調べたらなんと『がきデカ』と同時期に連載されていたらしい。『がきデカ』が週刊少年チャンピオンで1974〜80年まで連載していたのに対し、この『快僧のざらし』は1975〜78年まで月刊少年チャンピオンで連載していたのだという。そうか月刊誌だったのかー。週刊・月刊同時連載って昔よくあったなー。昔の漫画家のハード・スケジュールがうかがえるよなー。こういうのって今でもあるのかなー。山上さん本当にご苦労様でした…。お話の方はどこぞの山奥にあるお寺・昇天寺を舞台に、のざらし・陽念・陰念の3人の修行僧がありとあらゆる馬鹿と下品とインチキとエロと変態行為を繰り広げるという山上ならではのギャグ漫画である。なにしろ『がきデカ』で乗りに乗ってる頃の山上たつひこの筆致が軽快だ。いやしかしこの変態ぶり、今のコミック界で描けるのだろうか。それにしてもヒロインのさつきが実に愛くるしいのだが、そういえばオレは山上の描く少女キャラって昔から好きだったんだよなー。

諸星大二郎 ナンセンスギャグ漫画集・妙の巻

諸星大二郎 ナンセンスギャグ漫画集・妙の巻

諸星大二郎 ナンセンスギャグ漫画集・妙の巻

諸星大二郎 ナンセンスギャグ漫画集・珍の巻

諸星大二郎 ナンセンスギャグ漫画集・珍の巻

諸星大二郎 ナンセンスギャグ漫画集・珍の巻

異色作家・諸星大二郎のナンセンスギャグ漫画集ということなんだが、最初に言っておくとこれはファン以外にはちょっとキッツイ内容になっている。あくまで諸星マニア向け。だから諸星をまだ読んだことの無い人は決して手を出してはいけない。彼の本領はギャグじゃないんだからね!ギャグセンスはいまいちいまにぐらいだし相当古い作品ばかりのせいもあって鮮度も落ちるし、ちょっと片手間で描いたようなクオリティの作品が多い。諸星さんやっぱこっち向いてないんだろうなあ。でも楽しそうに書いているのは確かで、このコメディ・タッチが後の作品にも活かされていると言えないことも無い。「妙の巻」はショートショート中心だがこれがなにしろつまらない…。「珍の巻」はそれでもまだ面白くて怒々山博士だの猫六先生だののキャラが楽しい。ただオレのような諸星マニアは2冊とも買っちゃうんだけどね。2冊で1500円ぐらいだし、最初から1冊にまとめてくれても良かったような気がするが。

毎日かあさん(6) うろうろドサ編 / 西原理恵子

毎日かあさん 6 うろうろドサ編

毎日かあさん 6 うろうろドサ編

西原理恵子の爆走子育てマンガ『毎日かあさん』も6巻目、相変わらずドタバタワイワイガヤガヤとかまびすしい毎日を送るサイパラさん一家が描かれております。それにしても毎度毎度思いますがサイパラさん、しょっちゅう子供連れて海外行ってますよねえ…。子どもたちもしょっちゅうサイパラかあさんに連れられて海外行ってますよねえ…。それも「ちょっとあの国のあれが食べたい」とかいう理由で。これってやっぱブルジョアってことなんでしょうか。子供の頃から沢山海外経験した子供ってどういうふうに育つのでしょうか。サイパラは自分の子供を馬鹿だ馬鹿だと言ってるけどある意味これも一つの英才教育なんではないでしょうか。それにしてもお金持ってますねえ。なんか羨ましいですねえ。妬ましいですねえ。憎らしいですねえ。ねえねえねえ。