J・J・エイブラムスのTVドラマ『フリンジ』観た


J・J・エイブラムスといえば映画『スター・トレック』の監督や『クローバー・フィールド/HAKAISHA』の製作でオレも結構なお気に入りなのだが、そのエイブラムスがこのほど"1話の製作費が10億円!"という鳴り物入りで製作したTVシリーズがこの『フリンジ』である。メンド臭いので設定をWikipediaからコピペすると、

国土安全保障省の監督の下、マサチューセッツ州ボストンを拠点に、FBIのFringeチームの活躍を描く。世界中で発生する説明不能なおぞましい一連の事件「パターン」の捜査の為、チームは「fringe science」(非主流科学。境界科学とも)と呼ぶ型破りな手法を用いる。本作は『Xファイル』、『アルタード・ステーツ/未知への挑戦』、『トワイライト・ゾーン』、『ダーク・エンジェル』といった作品を交雑した様な内容である。
FRINGE (テレビドラマ)/Wikipedia

という物語になっている。最初オレもこの物語の噂を聞きつけたときは「『Xファイル』の再来か!?」と胸を高鳴らせ大いに楽しみにしていたのだが、リリースされたDVDを観てみると、これが「う〜〜〜ん…」と首うなだれてしまいそうになるヌル〜イ出来なのであった。な〜んかね〜登場人物に魅力が無い、登場人物の設定が嘘臭い、というのと合わせ、結局どこかで観たような怪奇ドラマで新鮮味が薄いんですわ〜。
まず1作目で語られる主人公の女FBI捜査官の不倫ドラマが取ってつけたみたいで観ていてどうでもいい気にさせるのね。そして捜査の手助けを要請する為に17年間どっかの病院に閉じ込められていた「物凄いIQ」の博士の元に赴く、というのがマンマ『羊たちの沈黙』で白けるし、同じく仲間になる博士の息子っていうのがやっぱり「物凄く頭が切れる」ってオハナシなのに全然頭良さそうに見えないうえ、頭のイイところを少しも披露しない、ってぇのがまた「なんじゃこりゃ?」と思わせる要因なのよ。
一番首をかしげたのは、いくら「頭のイイ博士」だからって、17年も世間から隔絶されてたのになんで普通に最新テクノロジーの粋を集めたIT機器のモニター見ながら捜査したり研究したり助手に指示したり出来るんだ、ってことだよな。だからこそ「頭のイイ博士」ってことなのか?空白の17年間に発達したり発見された科学理論やテクノロジーは理解してるのか?病院でお勉強してたようには見えないぞ?だいたい携帯電話に怯えてるぐらいじゃねーの?そんなところがなんだか納得いかないんだよなあ。
で、起こる事件というのも、実はその「頭のイイ博士」が昔係わっていた何がしかの研究に端を発する、なんてぇ安直な展開が実にマッチポンプ臭くてまたもや白けるんだが、この辺も「犯人は実は博士の知ってる奴だった」という『羊たちの沈黙』展開なんだよな。それに「不可解な現象を疑似科学で解明する」というこのドラマの設定は、”疑似科学”とやらの嘘臭さインチキ臭さを観る者に「実はありえるかもしれない」と思わせてこそ生きるだろうに、結局最後まで嘘臭くインチキ臭い法螺話にしか観られない所が物語の浅さを感じさせてしまうんだよ。
やっぱりねえ、どうしても『Xファイル』と比べてしまうと見劣りするんだよなー。とりあえずDVDの1巻と2巻観たけど、この後観るかどうかは謎だなー。そもそもエイブラムスの作るTVドラマって、あの『LOST』もなんだか水増しした薄いドラマって感じがして、途中まで観たけど退屈してるんだよなー。この人、才能あるの?無いの?

FRINGE / フリンジ 〈ファースト・シーズン〉Vol.1 [DVD]

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