テラヤヴァス

昨日会社帰りスーパーに寄って夕食の材料などを買ったのであった。
会計を済ませ店を出てアパートへと向うオレであったが、暫く歩いていると買い物を下げていた左手に妙な感触を覚えたのである。
「ム。」
それは買い物を入れたビニール袋の感触ではなかった。
オレが手に持っていたのは、スーパーに備え付けの買い物籠だったのである。
「…。」
お金を払った後、買い物をビニール袋に移し替えるのを忘れ、手にした買い物籠のまま店を出てきて、全く気付かないまま家路を歩んでいたのであった…。
基本的にいつも偉そうに歩いているので、すれ違った人も違和感を覚えながら「こういうもんなんだろう」と自分を納得させたに違いない。
で、オレもオレで、途中で気がついたもののアパートの近くまで来ていたし、そのまま堂々と部屋まで帰ったのさ!
…しかしスゲエボケだなあ。歳を取るっていうのは怖いよなあ。(たった今全て歳のせいにすることに決定)
ええと、買い物籠は休みの日でもスーパーに返しに行きますですハイ…。

夜空に消えたポトフ(もどき)

さてその日オレはスーパーでキャベツやらの野菜とウィンナーソーセージを買ってきて、ポトフ、のようなものを作ろうとしていたのである。
なにしろ野菜をたくさん取ろうというコンセプトだったのでである。
フモさん不摂生してるから野菜も取らなあかんよ、と可愛いあのコに言われていたのである。
そしてアパートに着いたオレはスーパーから持ち出してしまった買い物籠のことは一切忘れることにして、取り合えず一日の疲れを癒すためにショットグラスにジンを注ぎ生のままクイッとあおると、帰ってきた時の日課であるパソコンのメールチェックを始めたのである。
メールチェックといえば格好がいいが、実は毎日ごんずい玉のように大量に押し寄せるエロメールを、エアパッキンの空気玉をプチプチ潰す様に削除しまくるだけの話であるが。
で、プチプチ潰しながらたまにちょっと読んでみてグフフとかイヤらしい笑いを浮かべてみたりしちゃったりとかな。
そこでなぜかビール投入したのがすべての敗因であった。
酔っ払ってなんだかいろいろどうでもよくなる。
ビール飲みながら、食材にするはずのウィンナーソーセージやパンをガシガシ食ってしまう。
そしてなんだか眠くなり、そのまま当初予定の野菜たっぷりポトフもどきのコンセプトはどこへやら、結局この日の夕食はパンとウィンナーと酒であった、という体たらくなのであった…。
可愛いあのコよスマン…。

そして朝は朝で

と言うわけで今日はいつになくよく眠ったのだが、眠りすぎて逆に起きれなくなってしまったのであった。
だから目が覚めたのは出社時間ギリギリ、慌ててアパートを飛び出し、駅まで全力疾走したのだ。
ただオレの場合、”疾走”などという勢いのある走り方など出来るわけがない。
しかも”全力”などといっても基本的に体力がないので、「3秒程度思いっきり無理して走ってはみたものの、すぐ嫌になってあとは有るか無きかの慣性でダラダラ足を前に出している」程度の走りであったのが現実である。
だから傍から見れば「フンボルトペンギンがペタペタと駆け足している」という程度の走り方に見えたことであろう。
ただここで問題なのはペンギンほど可愛くない、いやむしろむさ苦しい、見苦しい、という事実である。
それでも7分の距離を5分で走ったのでオレとしては良くやった、と思っている。頑張ったじゃないかオレ、やったじゃないかオレ。
そういう訳で電車には間に合ったのだが。
しかし。
滅多に走ったことなどないオレ、その後足が攣って痛いのである。
今現在左足をびっこ引いてるんである。
やりなれないことはするもんじゃないなあ、と思うのと同時に、日頃の運動不足が祟ったなあ、とはまるで思わないオレなのであった。
いや、ほら、歳だから、歳。(全て歳のせいに…)