BOOK

最近読んだ本あれこれ

■里山奇談 あわいの歳時記 /coco、日高トモキチ、玉川数 里山奇談 あわいの歳時記 作者: coco,日高トモキチ,玉川数 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2019/10/31 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 桜祭りの帰り道に見た宙に浮く柔らかな光、…

ラテンアメリカ文学短編集を3冊読んだ

■ラテンアメリカ短編集:モデルニズモから魔術的レアリズモまで/野々山真輝帆 編 ラテンアメリカ短編集―モデルニズモから魔術的レアリズモまで 作者: 野々山真輝帆,日比野和幸 出版社/メーカー: 彩流社 発売日: 2001/07 メディア: 単行本 この商品を含むブ…

ラテンアメリカ文学アンソロジーを4冊(+1冊)読んだ

思うところあって「ラテンアメリカ文学短編アンソロジー」ばかり集中して読んでいた。思うところ、というか実はただ単に積読が溜まりまくってしまいここは一気呵成に読まにゃ消化できんな、という事情があっただけなのである。 読んだアンソロジーのタイトル…

人類滅亡5000万年後、2億年後、そして恐竜が進化し続けた世界。

この間Twitterで『アフターマン』のことを呟いていた方がいて、「うおお~~懐かしい!」と盛り上がってしまい、関連書籍と併せて古本を逆上気味に購入してしまった。 アフターマン――人類滅亡後の地球を支配する動物世界 作者: ドゥーガル・ディクソン 出版…

『犬の力』3部作堂々の完結編、『ザ・ボーダー』

■ザ・ボーダー(上)(下)/ドン・ウィンズロウ グアテマラの殺戮から1年。メキシコの麻薬王アダン・バレーラの死は、麻薬戦争の終結をもたらすどころか、新たな混沌と破壊を解き放っただけだった。後継者を指名する遺言が火種となり、カルテルの玉座をかけた血…

椎名誠『おなかがすいたハラペコだ。』と『おなかがすいたハラペコだ。②―おかわりもういっぱい』を読んだ

■おなかがすいたハラペコだ。/椎名誠 ■おなかがすいたハラペコだ。②―おかわりもういっぱい/椎名誠 例によって取っ付きにくいハードカバー小説を読み疲労してしまったので、口直しという事で軽めの読み物を読むことにした。オレにとって軽めの読み物と言っ…

ウラジーミル・ソローキンの『テルリア』を読んだ

■テルリア/ウラジーミル・ソローキン 21世紀中葉、世界は分裂し、“新しい中世”が到来する。怪物ソローキンによる予言的書物。“タリバン”襲来後、世界の大国は消滅し、数十もの小国に分裂する。そこに現れたのは、巨人や小人、獣の頭を持つ人間が生活する新…

今度は中生代だッ!/『リアルサイズ古生物図鑑 中生代編』

■リアルサイズ古生物図鑑 中生代編/土屋健 大昔の地球には今は絶滅して見る事の出来ない膨大な種類の生物が生きていましたが、それらの大きさってどんなものだったんでしょうか。それらを図鑑で見るときに、10センチだとか1メートルだとか10メートルだとか…

話題の長編中華SF小説『三体』は本当に面白かったのか?

■三体/劉慈欣(りゅう・じきん/リウ・ツーシン) 今SF小説界で話題沸騰中の作品といえば中国作家・劉慈欣(りゅう・じきん/リウ・ツーシン)の長編SF『三体』 だろう。なんというか化け物級の話題作なのだ。 2008年に中国で出版され人気が爆発、《三体》3…

京極夏彦の『今昔百鬼拾遺 天狗』を読んだ

■今昔百鬼拾遺 天狗/京極夏彦 昭和29年8月、是枝美智栄は天狗伝説の残る高尾山中で消息を絶った。約2か月後、遠く離れた群馬県迦葉山で女性の遺体が発見される。遺体は何故か美智栄の衣服を身にまとっていた。この謎に、旧弊な家に苦しめられてきた天津敏子…

橋本治の『父権制の崩壊 あるいは指導者はもう来ない』を読んだ

■父権制の崩壊 あるいは指導者はもう来ない/橋本治 今年1月に亡くなった橋本治さんの本はこの間出た『思いつきで世界は進む――「遠い地平、低い視点」で考えた50のこと』が最後なのかと思ったらまだあるのらしい。この『父権制の崩壊 あるいは指導者はもう来…

ホセ・ドノソ『夜のみだらな鳥』を読んだ(ラテンアメリカ文学)

■夜のみだらな鳥/ホセ・ドノソ 望まれない畸形児“ボーイ”の養育を託された名家の秘書ウンベルトは、宿痾の胃病で病み衰え、使用人たちが余生を過ごす修道院へと送られる。尼僧、老婆、そして孤児たちとともに暮しながら、ウンベルトは聾唖の“ムディート”の…

ヤマザキマリの『パスタぎらい』を読んだ

■パスタぎらい/ヤマザキマリ イタリアに暮らし始めて三十五年。断言しよう。パスタよりもっと美味しいものが世界にはある!フィレンツェの絶品「貧乏料理」、シチリア島で頬張った餃子、死ぬ間際に食べたいポルチーニ茸、狂うほど愛しい日本食、忘れ難いおに…

クトゥルー神!陰陽師!蘇った超絶剣士!明治天皇暗殺計画!伝奇小説『大東亜忍法帖【完全版】』がとてつもなく面白かった!

■大東亜忍法帖【完全版】/荒山 徹 幕末維新の騒乱期。命を落とした超絶剣士達が次々と蘇った。千葉周作、男谷精一郎、伊庭軍兵衛、近藤勇、土方歳三、沖田総司など総勢十二人! そして彼らを率いるのは、山田一風斎と名乗る謎の陰陽師。邪神“くとぅるー”の…

崩壊したアメリカの大地を少女とロボットが往くグラフィック・ノベル『エレクトリック・ステイト』

■エレクトリック・ステイト/シモン・ストーレンハーグ 1997年、無人機ドローンによる戦争で荒廃し、ニューロキャスターで接続された人びとの脳間意識によって未知なる段階に到達した世界が広がるアメリカ。10代の少女ミシェルと、おもちゃの黄色いロボット…

アストリアス『大統領閣下/グアテマラ伝説集』を読んだ(ラテンアメリカ文学)

■大統領閣下 グアテマラ伝説集/アストリアス 先日読んだイサベル・アジェンデの『精霊たちの家』がたいそう面白かったのでもう少しラテンアメリカ文学を読んでみるべえかと思い手にしたのがグアテマラの作家、ミゲル・アンヘル・アストリアスによる『大統領…

京極夏彦の『今昔百鬼拾遺 河童』を読んだ

■今昔百鬼拾遺 河童/京極夏彦 昭和29年、夏。複雑に蛇行する夷隅川水系に、次々と奇妙な水死体が浮かんだ。3体目発見の報せを受けた科学雑誌「稀譚月報」の記者・中禅寺敦子は、薔薇十字探偵社の益田が調査中の模造宝石事件との関連を探るべく現地に向かっ…

『ゲーム・オブ・スローンズ』原作者ジョージ・R・R・マーティンの『ナイトフライヤー』はエゲツナイSF短編集だったッ!?

■ナイトフライヤー/ジョージ・R・R・マーティン 最近のアメリカTVドラマで最大の話題となったのは『ゲーム・オブ・スローンズ(GOT)』最終章の公開でしょう。いやー『GOT』、オレも大好きなシリーズでしてねえ、一応シーズン7までは観てるんだが最終章であ…

ショーン・タン最新作のタイトルはなんと『セミ』?

■セミ/ショーン・タン 「絵本作家」といえばオレがまず最初に思い浮かべるのがこのショーン・タンである。まあ他の絵本作家を知らないという事もあるが(オイ)。絵本作家、ではあるが、ショーン・タンの描く作品は「大人の絵本」とでも呼ぶべきものである。…

京極夏彦の『今昔百鬼拾遺 鬼』を読んだ

■今昔百鬼拾遺 鬼/京極夏彦 「先祖代代、片倉家の女は殺される定めだとか。しかも、斬り殺されるんだと云う話でした」昭和29年3月、駒澤野球場周辺で発生した連続通り魔・「昭和の辻斬り事件」。七人目の被害者・片倉ハル子は自らの死を予見するような発言…

とっても素朴なカピバラ絵本『カピバラのせいかつ』ミケーラ・ファブリ著

■カピバラのせいかつ/ミケーラ・ファブリ オレはカピバラ好きである。カピバラのいる動物園は関東なら殆ど行き尽くしあまつさえリピートし、さらにカピバラ見たさに関西、四国まで出掛けたほどだ。次のターゲットは九州、ゆくゆくは台湾のカピバラ動物園を…

中国SF作家による短編集『郝景芳(ハオ・ジンファン)短篇集』を読んだ

■郝景芳(ハオ・ジンファン)短篇集/郝景芳 SFと詩的な視覚表現の融合。中国社会と現代都市の奇想天外な投影。ヒューゴー賞受賞「北京―折りたたみの都市」ほか、社会格差や高齢化、エネルギー資源、医療問題、都市生活者のストレスなど、中国社会を映しだす…

【お蔵出し】オレの45冊・SF小説篇

今回のエントリ『オレの45冊・SF小説篇』は2012年1月16日にはてなダイアリーの「下書き」に放り込んだまま7年間塩漬けにしていた記事である。 きっと当時「私の45冊」なんていうエントリが流行っていて、それに便乗しようとしたものなのだろう。タイトル通…

橋本治の『いつまでも若いと思うなよ』を読んでオレも老人になることについて考えた

■いつもまでも若いと思うなよ/橋本治 若さにしがみつき、老いはいつも他人事。どうして日本人は年を取るのが下手になったのだろうか――。バブル時の借金にあえぎ、過労で倒れて入院、数万人に 一人の難病患者となった作家が、自らの「貧・病・老」を赤裸々に…

三世代にわたる女たちの運命/『精霊たちの家』イサベル・アジェンデ (ラテンアメリカ文学)

■精霊たちの家/イサベル・アジェンデ クラーラは、不思議な予知能力をもっていた。ある日、緑の髪をたなびかせ人魚のように美しい姉のローサが毒殺され、その屍が密かに解剖されるのを目の当たりにし、以来九年間口を閉ざしてしまう。精霊たちが見守る館で…

ケン・リュウ最新SF短編集『生まれ変わり』を読んだ

■生まれ変わり/ケン・リュウ わたしは過去の自分を捨て、生まれ変わった…。地球に到来した異星の訪問者トウニン人と共生することになった人類は、大いなる代償と引きかえに、悪しき記憶を切除して新しい自分に「生まれ変わる」道を選ぶことが可能になった。…

ステファン・グラビンスキ『不気味な物語』を読んだ

■不気味な物語/ステファン・グラビンスキ 死と官能が纏繞するポーランドの奇譚12篇―― 生誕130年を迎え、中欧幻想文学を代表する作家として近年大きく評価が高まっているステファン・グラビンスキ。ポーランド随一の狂気的恐怖小説作家による単行本『不気味…

『J・G・バラード短編全集 第4巻』(だけ)を読んだ

■J・G・バラード短編全集(4) 下り坂カーレースにみたてたジョン・フィッツジェラルド・ケネディ暗殺事件/J・G・バラード 『結晶世界』『ハイ・ライズ』などの傑作群で、叙事的な文体で20世紀SFに独自の境地を拓いた鬼才の全短編を五巻に集成。第四巻には自…

橋本治最後の時評集『思いつきで世界は進む』を読んだ

■思いつきで世界は進む――「遠い地平、低い視点」で考えた50のこと / 橋本治 今年1月末に亡くなった橋本治の時評集『思いつきで世界は進む――「遠い地平、低い視点」で考えた50のこと』はPR誌「ちくま」の2014年7月号から2018年8月号までの巻頭随筆をまとめた…

スティーヴン・キングの新作ホラー小説『心霊電流』を読んだ

■心霊電流(上)(下) / スティーヴン・キング 途方もない悲しみが、若き牧師の心を引き裂いた―6歳の僕の前にあらわれたジェイコブス師。神を呪う説教を執り行ったのち、彼は町から出て行った。しかしその後も僕は、あの牧師と何度も再会することになる。かつ…