BOOK

デイヴィッド・ゴードンの『用心棒』を読んだ

■用心棒/デイヴィッド・ゴードン ジョー・ブロディーは異色の用心棒―ハーバード中退、元陸軍特殊部隊、愛読書はドストエフスキー。心優しいジョーだが、凄腕のその評判に偽りはない。ある晩、彼が勤務するストリップ・クラブをFBIが急襲する。理由も告げら…

『チェコSF短編小説集』を読んだ

■チェコSF短編小説集/ヤロスラフ・オルシャ・jr.編 二つの大戦、社会主義政権の樹立、プラハの春とチェコ事件、そしてビロード革命――。激動の歴史を背景に中欧の小国チェコで育まれてきたSF。ハクスリー、オーウェル以前に私家版で出版されたディストピア小…

ミハイル・ブルガーコフの戯曲『アダムとイヴ・至福郷』を読んだ

■アダムとイヴ・至福郷/ミハイル・ブルガーコフ 世界の対立が深まり、ついに毒ガスを使った全面戦争が勃発!死の町と化したレニングラードでは謎の光線を浴びて生き延びたアダムとイヴと光線を発明した科学者ら数人の人々が再会を果たしたが…(「アダムとイヴ…

最近読んだ椎名誠

■長さ一キロのアナコンダがシッポを噛まれたら / 椎名誠 長さ一キロのアナコンダがシッポを噛まれたら (角川文庫) 作者: 椎名誠 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2017/09/23 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 地下生活の考察と未来都市の姿、…

恒星間移民船で起こった密室大量殺人事件の謎を追え /『六つの航跡』

■六つの航跡(上)(下) / ムア・ラファティ 新しいクローンの体で蘇った6人が最初に目にしたのは、自らの他殺死体だった──。2000人分の冷凍睡眠者と500人分以上の人格データを乗せた恒星間移民船で、唯一目覚めていた乗組員6人が全員死亡。彼らは再生したもの…

最近読んだ本/『こうしてイギリスから熊がいなくなりました』『中二階』

■こうしてイギリスから熊がいなくなりました/ミック・ジャクソン これは、イギリスで絶滅してしまった熊に捧げる、大人のための寓話です。電灯もオイル・ランプもなかった時代、夜中に森を徘徊する悪魔だと恐れられた「精霊熊」。死者のための供物を食べた…

妄執と強迫観念に彩られたダークファンタジーの傑作/竜のグリオールに絵を描いた男

■竜のグリオールに絵を描いた男/ルーシャス・シェパード 全長1マイルにもおよぶ、巨大な竜グリオール。数千年前に魔法使いとの戦いに敗れた彼はもはや動けず、体は草木と土におおわれ川が流れ、その上には村ができている。しかし、周囲に住むひとびとは彼の…

"退職刑事ホッジズ"シリーズ3部作完結編にして最高傑作の登場/S・キング長編小説『任務の終り』

■任務の終り(上)(下)/スティーヴン・キング 6年前に暴走車を駆って大量殺人を犯した男、ブレイディは、いま脳神経科クリニックに入院していた。第二の事件を起こす直前で捕らえられたブレイディは、その際に脳に負った重傷による後遺症で、意思疎通も困難な…

スティーブ・シャピロによるデヴィッド・ボウイ写真集

■Bowie / Steve Schapiro 10代の頃からこの年になるまで、長年に渡ってデヴィッド・ボウイのファンだった。2016年になったばかりのある日、この世を去ってしまったボウイだが、オレの部屋には今でもボウイのLPジャケットが何枚も飾ってある。 そんなボウイの…

映画『2001年宇宙の旅』のメイキング本『The Making of Stanley Kubrick's 2001 - a Space Odyssey』

■The Making of Stanley Kubrick's 2001 - a Space Odyssey / Piers Bizony 『2001年宇宙の旅』といえば映画ファンなら知らない者の居ない(筈)の映画史上不朽の名作である。監督は、これも言うまでもないが鬼才スタンリー・キューブリック。 そもそもがSF…

スティーヴ・シャピロによる映画『タクシードライバー』写真集

■Taxi Driver / Steve Schapiro 映画『タクシードライバー』の写真集というものが存在すると知ってオレの心はザワついたのである。 オレのセーシュンを決定付けた映画『タクシードライバー』、しかしもはやセーシュンでもなんでもないオレにとって今更十年一…

黒人街のシャーロック・ホームズ『I Q』

■I Q /ジョー・イデ ロサンゼルスに住む黒人青年アイゼイアは‶IQ〟と呼ばれる探偵だ。ある事情から大金が必要になった彼は腐れ縁の元ギャング、ドッドソンからの口利きで大物ラッパーから仕事を請け負うことに。だがそれは「謎の巨犬を使う殺し屋を探し出…

遂に人類滅亡。そして……/『七人のイヴ II』

■七人のイヴ II / ニール・スティーヴンスン 月が七つに分裂した日から二年がたった。無数の月の破片の落下“ハード・レイン”による地球滅亡の危機に、人類という種を残すため、宇宙ステーションを核とした“クラウド・アーク”が急造され、選ばれた若者たちと…

カピバラ写真集『かぴばら』でまたもや和む

■かぴばら/岩合光昭 おっとり癒し系といわれるカピバラは、トリが頭や背中に乗っても素知らぬ顔。パラグアイカイマンとも仲良しです。鼻まで水に浸かって泳いだり、水草をムシャムシャ食べたり、泥んこになったり、親子で寄り添って眠ったり…… ところが、天…

橋本治『国家を考えてみよう』『福沢諭吉の『学問のすゝめ』』を読んだ

■国家を考えてみよう/橋本治 「国家」は「誰かえらい人のもの」ではなく「国民のもの」で「みんなのもの」だということをこの際はっきりさせておかなくてはなりません。そうでないと、うっかりだまされるなんてことになります。とはいえ、実際のところ「国…

『リアルサイズ古生物図鑑』を読んだよー

■古生物のサイズが実感できる! リアルサイズ古生物図鑑 古生代編/土屋健(著)群馬県自然史博物館(監修) 大人が楽しめる、超リアルなビジュアルブックの第一弾です。古生物……その姿を見るだけでワクワク、ドキドキ。古生物の図鑑は、眺めているだけでも楽…

椎名誠の『旅先のオバケ』を読んだ

■旅先のオバケ/椎名誠 「旅の多い人生だ。世界各国、日本各地。ホテルや旅館などの恵まれた寝場所だけでなく、原野やジャングルなどでも寝なければならない」(本文より)真冬のロシアのホテルで遭遇した信じられないホラー体験、モンゴルのゲルにやってき…

人類滅亡の日まであと2年。/『七人のイヴ Ⅰ』

■七人のイヴ Ⅰ / ニール・スティーヴンスン 突如、月が七つに分裂した!原因は不明だったが、その月のかけらがやがて指数関数的に衝突を繰り返し、二年後には無数の隕石となって地球に落ちると判明する。その結果、数千年続く灼熱地獄“ハード・レイン”が起こ…

宇宙の彼方からやってくる謎の通信の正体とは /『へびつかい座ホットライン』

■へびつかい座ホットライン / ジョン・ヴァーリイ 外宇宙から侵入した謎の物体によって地球を破壊された人類は、水星、金星、月、火星など八つの植民地で、ふたたび独自の文明を築きあげていた。その発展は、へびつかい座70番星の方向から超タイトビームで…

太陽超新星化兵器による宇宙規模のジェノサイドを描くスパイSF作品 / 『アイアン・サンライズ』

■アイアン・サンライズ / チャールズ・ストロス ウェンズデイ、16歳、オールド・ニューファンドランド・フォーの住人。彼女は暗い廊下を必死で逃げていた、執拗に追う怖るべき魔犬をふりきり、避難船にたどり着くために。あんな死体や謎の書類なんて見つけ…

サイバーパンク+ハードボイルド+近未来イスラーム世界SF『重力が衰えるとき』

■重力が衰えるとき/ジョージ・アレック・エフィンジャー おれの名はマリード。アラブの犯罪都市ブーダイーンの一匹狼。小づかい稼ぎに探偵仕事も引きうける。今日もロシア人の男から、行方不明の息子を捜せという依頼。それなのに、依頼人が目の前で撃ち殺…

『里山奇談 めぐりゆく物語』が発売されたので頼まれてもいないのにオレの里山奇談を語ってみる

■里山奇談 めぐりゆく物語/coco、日高トモキチ、玉川数 "里山奇談集"第2弾 coco、日高トモキチ、玉川数氏らによる"里山奇談集"第2弾『里山奇談 巡りゆく物語』が発売された。前作ファンとしては当然嬉しいが、第2弾が出るとは前作が相当好評を持って迎え入…

最近読んだ本あれこれ・橋本治と椎名誠

■たとえ世界が終わっても ──その先の日本を生きる君たちへ/橋本治 たとえ世界が終わっても ──その先の日本を生きる君たちへ (集英社新書) 作者: 橋本治 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2017/02/17 メディア: 新書 この商品を含むブログ (1件) を見る “イ…

最近読んだ本あれこれ

■アレフ/J・L・ボルヘス アレフ (岩波文庫) 作者: J.L.ボルヘス,鼓直 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2017/02/17 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (3件) を見る 途方もない博識と巧緻をきわめたプロット、極度に凝縮された文体ゆえに、〈知の工匠…

映画『地球に落ちてきた男』のスチール写真集が発売

■David Bowie : The Man Who Fell to Earth Taschenといえば良質なアートを安価な美術書で提供する出版社で、オレもたまにアート本を購入していたが、そのTaschenからボウイの、しかも映画『地球に落ちてきた男』のアートブックがつい最近出されていたとは知…

日本合衆国vsナチスドイツのロボット大戦!!/『メカ・サムライ・エンパイア』

■メカ・サムライ・エンパイア/ピーター・トライアス 大日本帝国が統治するアメリカ西海岸の「日本合衆国」。両親をテロで失った不二本誠は、巨大ロボット兵器「メカ」のパイロットを志望していたが、そのための士官学校入試で失敗する。だが彼は、思わぬこ…

『スタートボタンを押してください ゲームSF傑作選』

『紙の動物園』のケン・リュウ、『All You Need Is Kill』の桜坂洋、『火星の人』のアンディ・ウィアーら、現代SFを牽引する豪華執筆陣が集結。ヒューゴー賞、ネビュラ賞、星雲賞受賞作家たちが、ビデオゲームと小説の新たな可能性に挑む。本邦初訳10編を含…

現代中国SFアンソロジー『折りたたみ北京』が最高に面白い

■折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー / ケン・リュウ編 北京、異形の都市。この街は貧富の差により三層のスペースに分割され、24時間ごとに世界が回転・交替し、建物は空間に折りたたまれていく。緻密にして巨大なルービックキューブ型都市の社会と文化…

髙山龍智 著『反骨のブッダ』を読んだ

■反骨のブッダ――インドによみがえる本来の仏教・日本人が知らなかった仏教の真髄 / 髙山龍智 オレは全くの無宗教であり、これからも信仰を持つ予定は全くないにもかかわらず、「宗教」それ自体には興味がある。世には仏教・キリスト教・イスラム教・ヒンド…

最近読んだ本

最近、というかここ半年ぐらいの間に読んだ本の覚え書き。 ■リアリティのダンス / アレハンドロ・ホドロフスキー リアリティのダンス 作者: アレハンドロ・ホドロフスキー,青木健史 出版社/メーカー: 文遊社 発売日: 2012/10/25 メディア: 単行本 クリック:…