BOOK

ゾンビ+狂ったAI+ボーイミーツガール+スペースオペラ=『イルミナエ・ファイル』

■イルミナエ・ファイル / エイミー・カウフマン、ジェイ・クリストフ ケイディが恋人エズラと別れた日、宇宙船団により彼らが住む辺境の惑星は侵攻を受けた。星際企業戦争に巻きこまれたのだ。 人々は3隻の宇宙船で脱出をはかるが、最寄りのジャンプステー…

スタニスラフ・レムのデビュー作収録『主の変容病院・挑発』を読んだ

■主の変容病院・挑発/スタニスラフ・レム 友人との再会から、青年医師ステファンは、煉瓦塀に周囲をかこまれ、丘の頂に屹立する、ビェジーニェツのとある病院に勤務することになる。そこ、「主の変容病院」では、奇怪な精神と嗜好を有する医師と患者たちが…

『ブレードランナー』『エイリアン2』に参加したシド・ミードのSF映画コンセプトアートの数々~『シド・ミード ムービーアート』

シド・ミードといえばなんといっても『ブレードランナー』のコンセプト・アートを描いた男として名を馳せるが、彼は他にも『スタートレック』『2010年』『エイリアン2』など数々のSF映画作品においてそのアイディアを提供している。さらに、ついこの間公開さ…

『ミスター・メルセデス』続編となるキングのミステリー長編『ファインダーズ・キーパーズ』

■ファインダーズ・キーパーズ(上)(下)/スティーヴン・キング 少年ピートが川岸で掘り出したのは札束と革張りのノートが詰まったトランクだった。父が暴走車によって障害を負ったピートの家では、毎晩のように両親がお金をめぐって喧嘩をしていた。このお金…

『ブルー・マーズ』~200年に渡る火星テラフォーミングの歴史を描く畢生のSF大作、遂に完結

■ブルー・マーズ(上)(下) / キム・スタンリー・ロビンソン 地球の治安部隊は火星の軌道上にまで撤退し、無血革命は成功するかに思われた。だが和平交渉中、過激な一分派が宇宙エレヴェーターに攻撃を開始する。第一次火星革命の悪夢が繰り返されてしまうの…

ロシアの収容所の町を巡る親子3代の物語〜『五月の雪』

■五月の雪 / クセニヤ・メルニク 目を細めると、今も白い雪山が見える――。米国注目のロシア系移民作家が描く、切なくも美しい9篇の物語。同じ飛行機に乗りあわせたサッカー選手からのデートの誘い。幼少期の親友からの二十年ぶりの連絡。最愛の相手と死別し…

知覚の扉の彼方〜『アルクトゥールスへの旅』デイヴィッド・リンゼイ著

地球外の惑星アルクトゥルスの天地開闢にまで遡る善と悪との一大闘争史を巡る恐るべき宇宙ファンタジー。C.S.ルイス等に巨大な影響を与えた、真に想像力の奇跡と言いうる幻想の大遍歴譚。 この作品は随分昔、サンリオSF文庫で出ていたのを買って読んだ覚え…

不思議に彩られた里山への畏怖と畏敬〜『里山奇談』

■里山奇談 / coco、日高トモキチ、玉川数 オレは海育ちのせいか、山にはちょっとした憧れがあった。オレが18まで住んでいた北海道の漁港の町は、三方を寒流の海に囲まれ、それこそいつでも飽きるほど海を眺められたが、これが山となると、せいぜい小高い丘程…

地図で紐解く世界の不思議〜『世界不思議地図 THE WONDER MAPS』

■世界不思議地図 THE WONDER MAPS / 佐藤健寿 『クレイジージャーニー』(TBS系)で話題沸騰!『奇界遺産』写真家・佐藤健寿による親子で楽しめる奇妙なワールド・ガイド 未確認生物から超古代遺跡、都市伝説から少数民族まで──世界各地の“奇妙なもの"を撮り続…

悲しみの段階〜ジュリアン・バーンズ 『人生の段階』

■人生の段階 / ジュリアン・バーンズ 誰かが死んだことは、その存在が消えることまでは意味しない――。最愛の妻を亡くした作家の思索と回想。気球乗りは空の高みを目指す。恋人たちは地上で愛しあう。そして、ひとつに結ばれた二人が一人になったとき、遺され…

カート・ヴォネガットの『人みな眠りて』を読んだ

■人みな眠りて / カート・ヴォネガット カート・ヴォネガットの没後10年だという。ヴォネガットの死に際してはこのブログに弔辞めいたものを書いたことがあるので(カート・ヴォネガット氏死去 - メモリの藻屑、記憶領域のゴミ)、そうか、このブログ自体もう1…

最近読んだ本〜『書楼弔堂 破暁』

■書楼弔堂 破暁 / 京極夏彦 明治二十年代の半ば。雑木林と荒れ地ばかりの東京の外れで日々無為に過ごしていた高遠は、異様な書舗と巡りあう。本は墓のようなものだという主人が営む店の名は、書楼弔堂。古今東西の書物が集められたその店を、最後の浮世絵師…

ケン・リュウ小説の進化形〜短編集『母の記憶に』

■母の記憶に / ケン・リュウ 不治の病を宣告された母は、誰より愛するひとり娘を見守り続けるためにある選択をする。それはとてつもなく残酷で、愛に満ちた決断だった…母と娘のかけがえのない絆を描いた表題作、帝国陸軍の命で恐るべき巨大熊を捕らえるため…

最近読んだ本〜『終わりなき戦火 老人と宇宙6』

■終わりなき戦火 老人と宇宙6 / ジョン・スコルジー 元プログラマの操縦士レイフは、気がつくと脳だけの姿で宇宙船につながれ、コロニー連合への兵器にされていた。レイフはその元凶の謎の組織“均衡”に、決死の反撃を試みるが…。そのころエイリアンとの外交…

カピが可愛いいしいひろしの絵本『たべてみたい!』

■たべてみたい! / いしいひろし いしいひろしさんが描いた絵本『たべてみたい!』は3歳以上推薦です。 これを読んだオレは3歳以上なので全然問題ありません。 『たべてみたい!』は表紙絵から分かるようにカピバラが主人公となります。 3歳以上推薦の絵本を…

最近読んだ本〜『とうもろこしの乙女、あるいは七つの悪夢』『破壊された男』

■とうもろこしの乙女、あるいは七つの悪夢 ---ジョイス・キャロル・オーツ傑作選 とうもろこしの乙女、あるいは七つの悪夢 ---ジョイス・キャロル・オーツ傑作選作者: ジョイス・キャロル・オーツ,栩木玲子出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2013/02/15…

最近読んだSF小説〜『宇宙探偵マグナス・リドルフ』『伊藤典夫翻訳SF傑作選 ボロゴーヴはミムジイ』

■宇宙探偵マグナス・リドルフ / ジャック・ヴァンス 宇宙探偵マグナス・リドルフ (ジャック・ヴァンス・トレジャリー)作者: ジャックヴァンス,Jack Vance,浅倉久志,酒井昭伸出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 2016/06/24メディア: 単行本この商品を含むブ…

最近読んだSF小説〜『ヒュレーの海』『ゴッド・ガン』

■ヒュレーの海 / 黒石迩守 ヒュレーの海 (ハヤカワ文庫JA)作者: 黒石迩守,Jakub Rozalski出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2016/11/22メディア: 文庫この商品を含むブログ (3件) を見る “混沌”が地表を覆って世界が崩壊し、地球が巨大な記録媒体“地球の記録…

今年面白かった本やらコミックやらゲームやら

■今年面白かった本 ○千の顔をもつ英雄〔新訳版〕(上)(下) / ジョーゼフ・キャンベル 千の顔をもつ英雄〔新訳版〕上 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)作者: ジョーゼフ・キャンベル,倉田真木,斎藤静代,関根光宏出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2015/12/18…

百鬼が夜行しさあタイヘン!?〜『虚実(うそまこと)妖怪百物語』

■虚実(うそまこと)妖怪百物語 (序)(破)(急) / 京極夏彦 シリアの砂漠に現れた男。旧日本兵の軍服に、五芒星が染め付けられた白手袋。その男は、呪術と魔術を極めた魔人・加藤保憲に似ているように見えた。妖怪専門誌『怪』の編集長と共に水木プロを訪れた…

真正さの為の戦い〜ジョン・ル・カレ『繊細な真実』

極秘の対テロ作戦に参加することになったベテラン外務省職員。新任大臣の命令だが、不審な点は尽きない。やがて、作戦は成功したとだけ告げられ、任を解かれる。一方、大臣の秘書官トビー・ベルは上司の行動を監視していた。作戦の背後に怪しい民間防衛企業…

大日本帝国軍アメリカ征服!巨大ロボット出撃!オタクネタ満載!〜『ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン』

■ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン / ピーター・トライアス 第二次大戦で日独の枢軸側が勝利し、アメリカ西海岸は日本の統治下にある世界。巨大ロボット兵器「メカ」が闊歩するこの日本合衆国で、情報統制を担当する帝国陸軍検閲局勤務の石村紅功(い…

地獄のメキシコ麻薬戦争を描く『犬の力』続編小説『ザ・カルテル』

■ザ・カルテル(上)(下) / ドン・ウィンズロウ 麻薬王アダン・バレーラが脱獄した。30年にわたる血と暴力の果てにもぎとった静寂も束の間、身を潜めるDEA捜査官アート・ケラーの首には法外な賞金が賭けられた。玉座に返り咲いた麻薬王は、血なまぐさい抗争を…

今度のスティーヴン・キングはミステリーに挑戦だ!『ミスター・メルセデス』

■ミスター・メルセデス / スティーヴン・キング スティーヴン・キングが2014年に発表した『ミスター・メルセデス』が翻訳されて、一介のキング・ファンとしてはとりあえず読まねばなるまい、と例によって分厚い上下巻をドーンとまとめて買ったのである。いや…

バンクシー出没にニューヨークは大騒ぎ〜『BANKSY IN NEW YORK バンクシー・イン・ニューヨーク』

随分前からゲージツには興味が無くなってしまったし、美術館にも行かなくなった。オレのさもしい日常に、ゲージツやら美術館やらがなんだかそぐわなく思えてきたのだ。そんな中バンクシーはいまだ好きなアーチストなんだと思う。洋書屋で(まあ、こういう所…

ジュノ・ディアスの『ハイウェイとゴミ溜め』を読んだ

ドミニカの田舎での退屈な夏休み。伝説のマスク怪人を追うボクとアニキの冒険「イスラエル」。キレた女の子オーロラがボクに求めたものはドラッグだったのかセックスだったのか、それとも…。N.Y.の路上に生まれたラブ・ストーリー「オーロラ」。魔術的リアリ…

アリス・マンローの短編集『イラクサ』を読んだ

旅仕事の父に伴われてやってきた少年と、ある町の少女との特別な絆。30年後に再会した二人が背負う、人生の苦さと思い出の甘やかさ(「イラクサ」)。孤独な未婚の家政婦が少女たちの偽のラブレターにひっかかるが、それが思わぬ顛末となる「恋占い」。そのほ…

『マヌ法典―ヒンドゥー教世界の原型』を読んだ

■マヌ法典―ヒンドゥー教世界の原型 / 渡瀬信之 多民族、多言語、多宗教の国インドでは、今日ヒンドゥー教徒が総人口の8割をしめ、かれらは文化、政治、経済に圧倒的な力を及ぼす。ヒンドゥー教は信仰と生活実践を一体化した宗教で、特有の社会制度、法律、倫…

インド好きにもインドを知らない方にもお勧めしたいインド本『インド人の謎』

■インド人の謎 / 拓徹 インド滞在12年――気鋭の研究者が、インドの「謎」を解く! 神秘、混沌、群衆……インドにはとかく謎めいたイメージがつきまといます。こうしたイメージは、興味をかき立てるだけでなく、往々にして私たちとインドとの心理的な距離を拡げて…

『蒲公英(ダンデライオン)王朝記 巻ノ二: 囚われの王狼』を読んだ

■蒲公英(ダンデライオン)王朝記 巻ノ二: 囚われの王狼 / ケン・リュウ 人を惹きつけてやまない天性の魅力をもったクニ・ガルと、皆殺しにされた一族の復讐を胸に生きる男マタ・ジンドゥ。ザナ帝国打倒の旗印のもと、ふたりは永遠の友情を誓ったはずだった―。…